本プロジェクトでは,内水氾濫と外水氾濫が同時に発生する複合水害について,下水道が機能せず,1000年確率降雨の条件で重畳氾濫シミュレーションを香川県高松市の二級河川御坊川を対象として実施した.その結果,内水氾濫と外水氾濫を個別に考慮する場合と比べて,複合水害では,浸水範囲が増加し,流速も部分的に速くなることが分かった. そのため,避難の難易度が上がることが想定され,水害のハザードマップに重畳氾濫を想定することが今後必要である結果が示された.
研究費:
日本学術振興会 科学研究費補助金(基盤B) 、豪雨による複合的な水害を考慮した新たな浸水ハザードの提示 2023年4月 - 2027年3月(代表:石塚正秀, 分担:寺尾徹, 村山聡, 関山剛, 山本高広, Kong Kaman)
参考文献:
1. 石塚 正秀, 溝渕 佳希, 渡辺 悠斗, 藤澤 一仁, 三好 正明, 岡崎 慎一郎, 吉田 秀典, 金田 義行:重畳氾濫による複合水害が避難に与える影響- 単位幅比力を用いた検討 - 、土木学会論文集B1(水工学)、2023年12月
2. 渡辺悠斗・石塚正秀・溝渕佳希・藤澤一仁・岡崎慎一郎・吉田秀典・金田義行:内水・外水氾濫の同時発生による複合水害時の下水道を考慮した氾濫水の特徴、土木学会論文集B1(水工学)、Vo.78、No.2、I_19-I_24、2022.
3. 北村友叡・石塚正秀・渡辺悠斗・藤澤一仁:内水・外水の重畳氾濫による複合水害時の氾濫水の特徴、土木学会論文集B1(水工学)、Vo.77, No.2、I_1471-I_1476、2021.
発表:
石塚正秀, 溝渕佳希, 間々瀬静真, 坂本華美:豪雨による内水氾濫の理解と課題、海洋科学の未来とレジリエンスサイエンスシンポジウム、口頭発表(一般)、香川大学四国危機管理教育・研究・地域連携推進機構、香川大学幸町キャンパスOLIVE SQUARE多目的ホール、2024年8月23日-2024年8月23日.
RNC news every.【every.みんなの防災】「内水氾濫の脅威とは」に出演しました(2023/08/24放送)。Yotube動画でご覧いただけます(Instagram)(2023.8.24)
内水氾濫時の最大浸水深(下水道あり,計算期間:2004年10月19日0時−20日 24時(台風23号),赤枠は,台風23号による高松市浸水災害実績範囲を示す.)